闇ではなかった。
 無数のかがり火が見える。笑えるくらいの数だった。
 三人が飛び出した正面玄関を中心に、そのかがり火の群れが何重にも三人を、というよりむしろ大聖堂そのものを取り囲んでいる。
 ラータルトは思わず振り返ってミオの顔を見た。さすがのミオもこの光景は予想していなかったらしく、呆然と立ち尽くしている。レノアに至っては、目を見開いたままぴくりとも動かなくなってしまった。
 十人や二十人程度の出迎えは予想していた。だが、どう見てもこれは桁が違う。いくら大聖堂が大きいとはいえ、普段これだけの人数が暮らしているとは思えない。
「……およそ二百、といったところだな」
 ミオの声に耳を打たれ、ラータルトはようやく我に返った。
「と、とにかくここを突破するのはいくらなんでも無理だよ。一旦戻った方が――」
「どうやらそれも無理そうだな」
 ミオがそう言うのと、いつの間にか追いついてきていたらしい鎧軍団の足音が背後から聞こえてくるのと、ほぼ同時だった。
 進路を神官戦士の大集団に塞がれ、退路を中身が空洞の鎧軍団に断たれ、二人は大聖堂のだだっ広い前庭で遠巻きにぐるりと囲まれる形になっていた。
「やはりお前達は王国の手先だったか」
 唐突に聞こえたその声は、鎧軍団の向こう側から聞こえた。
 極度に肥満した身体を揺らしながら、マクシス神殿長が歩み出てくる。
「王国の手先とは失礼な。私は第七十八代太夢天帝・神有月ミオであるぞ」
 この期に及んで傲然とした態度を崩さないミオを、ラータルトは少しだけ尊敬したくなった。しかしよく見るとその表情に恐怖は見えないものの、わずかな焦りが浮かんでいるのが窺える。
「いずれにしてもお前達は禁を破ったのだ。本来なら異端として追放の刑――といったところだろうが、あいにくそれでは済まぬ事情があってな」
「回りくどいのは好まぬ。秘密を知った者は生かしておけぬ――はっきりとそう言ったらどうだ?」
 ミオの言葉に反応して、マクシスの頭に青筋が浮かぶのが見えた。
「問答無用! 生かして捕らえる必要はない。皆の者、我らが『天使』に仇なす邪教徒どもに、今すぐこの場で血の制裁を与えよ!」
 マクシスの声に応じて、神官戦士たちが包囲の輪を狭めてくる。
 ミオは周囲をざっと見渡すと、思わず身を固くするラータルトに小声で囁いた。
「飛び道具がいないのが幸いだな。ところで船の上で言った話を覚えているか?」
「こんな時に何言ってるんだよ、っていうか一体何の話?」
「とりあえず背中のレノアを降ろせ。その格好では戦えまい」
 言われてようやく、ラータルトは今までレノアをずっと背負いっぱなしだったことに気付いた。しかし、レノアを降ろしてしまうということは、少なくとも包囲を強行突破して脱出する作戦を取ることはできなくなる。まさかレノアを置き去りにして二人だけ助かろうなどと言うのではないか、そんな不安に駆られるラータルトに、ミオはさらに続けて言った。
「二十秒だ。奴らを私に近寄らせないようにして二十秒だけ頑張ってくれ。できるか?」
 要するに、囮になれということらしい。しかし、これだけの数を相手に、しかも障害物もなく包囲され放題のこの場所で、二十秒も耐える自信は、はっきり言ってない。だから、思わず聞き返さずにはいられなかった。
「二十秒頑張ると、どうなるの?」
 その言葉に、ミオはこんな状況にも関わらず、にやりと笑って見せた。
「戦艦・播磨がどのようにして戦ったのか、今ここで見せてやる」
 そして、地面に降ろされたレノアに向かって告げる。
「ところでレノアよ、もしお前がまだこの先の人生に未練があるのなら、私の足元で頭を抱えて亀になって絶対に動くな。わかったか?」
 ラータルトには、ミオが何を言っているのかは全く理解できなかった。だが一つだけわかったことがある。つまりは、勝算があるということだ。この期に及んで、ミオがはったりを言うとは思えない。ラータルトは覚悟を決め、剣を抜き放った。
「始めるぞ」
 ミオの言葉にラータルトは頷く。レノアはミオに言われた通り、ミオの足元で亀になっている。その様子を見届けてから、ミオは両手を前に差し出し、両目を閉じ、辺り一帯によく通る声で、高らかに何かを唱え始めた。
『五芒に輝く天魔の星よ、紅を司る神鳥よ』
 瞬く間に、神官戦士たちに緊張が走る。次の瞬間、血相を変えた神官戦士たちが、堰を切ったようにミオ目がけて押し寄せて来る。
『遥かな宙より此処に舞い降り、現の世界に威を示せ』
 神官戦士たちとミオの距離が見る見る縮まっていく。このままではあと五秒もしないうちに接触するだろう。相手が一人や二人なら割って入ることもできるだろうが、敵がミオ一人を目標としている以上、完全に守りきることなど不可能である。何とかして戦士たちの注意を、ミオでなく自分に向けなければならない――その手段を考える時間は、ラータルトにはほとんど与えられていない。
『数多に輝く蛍集いて、破滅の刻へと誘わん』
 ふと、ラータルトの目に、包囲網の中で一点だけ、全く動こうとしない部分が映った。
 他に何も浮かばなかった。いちかばちかの賭けだった。ラータルトは、その動かないただ一点――マクシスとその周囲の鎧軍団に向かって、大声を張り上げながら突進していった。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 それまでほとんど動かなかった鎧たちが、マクシスとラータルトとの間に割って入る。そのうちの一匹の、胸の紋章の中心に、ラータルトは剣を突き立てる。
 その一匹は一瞬で動かなくなった。そしてこの時、ラータルトとマクシスの間には、たった四匹の鎧しかいなかった。恐怖に駆られたマクシスは思わず叫ぶ。
「何をしている、この男を止めろ、私の身を守れ!」
 それまでミオしか目に入っていなかった神官戦士たちの動きが一瞬止まる。そして彼らはそのまま進行方向を変え、ラータルトのいる方向へと殺到してくる。
 このまま鎧軍団を倒し、マクシスの喉元に剣先を突きつけるよりも早く、神官戦士たちはラータルトを取り囲み、四方八方からずたずたに切り刻むだろう。
 だが、ミオが約束した二十秒は、それよりもわずかに早く訪れる。

 それは、ラータルトが二匹目の鎧を倒し、神官戦士の先陣がラータルトに向かって剣を振り上げた瞬間だった。
 無数に輝いていたかがり火が、不思議な風によってかき消された。
 二百人もの神官戦士の足音が消えた。
 その異様な気配に誰もが動きを止めた。誰もが気配の源に視線を向けずにはいられなかった。
 月明かりさえ届かぬ真の闇の中で、少女は輝いている。
 正確に言えば、足元で回転しながら黄金色の光を放つ、複雑な模様と文字の描かれた五芒星の魔法陣が、ミオの全身をまばゆく照らし出していた。
 その周囲には、ぼんやりと赤い光を帯びた球体が無数に浮いている。まるで霞の中で光る蛍のようだった。
 あまりに美しく幻想的な風景に、ラータルトは思わず自分が命を賭して刃を交えていたことを忘れた。そしてそれは神官戦士たちも、意思のない鎧でさえも同じだった。
 皆が注目する中、少女は力強く澄んだ声で、最後の節を詠唱した。
『闇より舞い降り地に降り注げ、紅蓮に煌く焔星!』

 蛍が舞った。
 それまでミオの周囲に浮かんでいた無数の光の玉が一斉に解き放たれ、赤いきらめきの尾を引きながら、戦場全体へと飛び散っていく。
 それらは目的地に近づくにつれ、次第に輝きを増していく。ただ美しいだけだった輝きが次第に熾烈さを、次いで獰猛さを、果てには禍々しさをも帯びた光へと姿を変える。
 いつしか無数の赤い蛍たちは、恐るべき破壊力を秘めた灼熱の火球へと姿を変えていた。
 そのうちの一つが地面に墜ちた瞬間、強烈な振動がその場にいる全員を襲った。次いで瞳を焼くほどの閃光、岩をも溶かす熱を帯びた波動、そして何もかもを吹き飛ばす烈風。
 火球は次々と着弾していく。連鎖する爆発は空間そのものを振動させ、何もかもを吹き飛ばしていく。神官戦士たちの身体が次々と舞い上がり、ある者は右の爆風に吹き飛ばされる先で起きた左の爆発に巻き込まれて逆方向へと吹っ飛んでいく。そしてある者は熱風に髪と服を焼かれ、ほとんど丸裸の状態で地面に投げ出される。阿鼻叫喚が爆音にかき消されつつ、途切れ途切れに響き渡る。
 ラータルトは地面に伏せて頭を抱え込み、レノアの真似をしてひたすら亀になっていた。大地の震動で跳ね飛ばされそうになりつつも、必死にその姿勢を貫き通す。

 そのおぞましい爆発の連鎖は、一分近く続いただろうか。ようやく振動も爆風も収まったところで、ラータルトは恐る恐る立ち上がった。そして、周囲を見渡した。
 地獄絵図だった。
 いまだに燃えている雑草のおかげで、周囲の様子ははっきりと見て取れる。美しかったはずの前庭には無数のクレーターが穿たれ、ボロ雑巾のようになった神官戦士がそこら中に転がっている。
 何もかもが破壊され尽くした、その惨禍の中央に、一人だけ立っている少女の姿が見える。
 この全てを引き起こした張本人であるミオは、深呼吸を繰り返し、乱れる息を整えようとしているように見える。
 そのミオがラータルトに気付いたらしく、声をかけてきた。
「無事だったようで何よりだ」
「し……死ぬかと思ったよっ!」
 神官戦士たちの刃を前にしても、まるで恐怖というものを感じなかったラータルトの膝が、今はみっともなくがくがくと震えている。それを押し隠そうという気すら起きなかった。思わず小便を漏らしてしまわなかったことを、ラータルトはいまだ思い出せない何かに感謝した。
「心配するな、人に直撃はさせていない。私とて、原型を留めぬ死体などというものを目の前で量産するのは気分の良いものではないからな」
「えっと……何人くらい死んだかな?」
「さあな。少なくともできるだけ殺さぬよう着弾点は選んだつもりだし、そしてそれは概ね成功している。よほど軟弱な奴が混じっていない限り、とりあえず死んではいないだろう」
 言われてラータルトは改めて、地面に転がる神官戦士たちの様子を調べてみる。
 ただ気を失っているだけの者もいれば、少なくとも重傷を負っている者もいる。しかしミオの言う通り、即死した者や、今すぐ手当てしないと命に関わりそうな者も、ざっと見た限りでは見当たらない。逆に、全くの無傷という者もほとんどいないようだった。
「これが戦艦・播磨の戦い方だ。甲板の上に百名から二百名の魔法使いがずらりと並び、そして一斉に呪文を詠唱する。今回はそれを再現してみたのだが、本来百余名で行う大魔術を一人で行うというのは実に骨が折れる。おかげでもはや立っているのが精一杯――」
「ねえ、ミオ……おかしいよ」
 震える声でラータルトが指摘する。
「どうした?」
「あのさ、ミオが今回巻き込まないようにしたのは、僕とミオと、それとレノアだけだよね?」
「まあ、他にも運良く巻き込まれなかった者もいるかもしれないが、概ね全体を――」
 そこまで言って、ミオもようやく事態に気付いたようだ。
 ほとんどの神官戦士たちが倒れ伏している中、たった一人、まるで何事もなかったかのように身を起こした者がいたのだ。
「馬鹿な――なぜよりによってあの男が立ち上がるのだ? 実を言えばあの男にだけは、思いきり直撃させてやったはずなのだが」
 確かにその男の立っている場所は、広大な前庭にできた中でもひときわ大きなクレーターの中心部だった。
「……素晴らしい」
 その男――マクシス神殿長は、肥満した身体を揺すりながら、大声で笑い始めた。
「まさかこれほどの力とは! 今の魔法、確かに直撃を受ければ肉片すら残らず消し飛ぶほどの力だった。それを食らって、全くの無傷とは!」
 マクシスは一歩、また一歩と前に踏み出す。肥満した身体をクレーターの上に持ち上げるのに苦労しながらも、彼はその表情から笑みを消すことはなかった。
「だがさすがに痛かったぞ。あまりの痛さに、しばし気を失ってしまった。この借りは――」
 そう言うと、マクシスは右手をすっと横に差し出した。
 間髪置かず、それまで地面の中に埋もれていた鎧たちが起き上がり、マクシスを守るように立ちはだかった。鎧はもちろんミオの魔法の影響を受け、壊れたり熱で溶けかかったりしていたが、それでも動くには支障がないらしい。
「十倍にして返させてもらうぞ!」
 マクシスは懐に手を突っ込むと、何かを握り締めたまま前に突き出した。そして、高らかに唱える。
『天に仇なす不届き者に――』
「ラータルト危ない! 逃げ――」
『聖なる裁きの雷を!』
 逃げられるはずがなかった。
 唐突に天から降り注いだ雷が、ラータルトの脳天から爪先までを貫いた。
 恐らく生まれて初めて味わう衝撃が、心臓と脳味噌を致命的なまでに揺さぶる。
 叫ぶことすらできずに、ラータルトは意識を保ったまま、地面に仰向けにひっくり返った。
 無論、体を動かすことなどできないし、呼吸もできない。心臓すら動いているか怪しい。
「ラータルト! 貴様、よくも――」
「観念したまえ、次はお前の番だ」
「――ラータルトを倒したからといって図に乗るな。どうやら貴様に私の魔法は通じないらしいが、それでも一対一で私に勝てると思っているのか?」
 ミオは冷徹な無表情のまま弓を構える。何匹かの鎧が慌ててミオとマクシスとの間に割って入るが、当のマクシスは全く慌てていなかった。
「ふっふっふ……誰が一対一などと言ったかね?」
 その言葉に呼応するかのように、遠くから複数の足音が近づいてくる。
「何だとっ?」
 それは、ミオが魔法で倒したのとほぼ同じ数――すなわち百人規模の神官戦士の軍団だった。
「戦士たちは大聖堂全体を包囲していたのだ。お前にやられたのはこちら側、つまり表を守っていた者たちのみ――同じ数が裏にも控えていたというわけだ」
「この人数……全員が全員、お前の手下というわけではあるまい? 裏で相当の大物が糸を引いているようだな」
 ミオのその言葉に反応したのか、マクシスの表情から余裕が消えた。
「これだけの部隊を動かして失敗したとあっては、私がカーン様に消されてしまう。ヨーデンブルク家の軍隊との交戦を想定して揃えた部隊の半数が、たかが小娘一人にやられてしまうとは……しかし、とりあえず言い訳を考えるのは後だ。お前は危険すぎる。精一杯苦しめてやりたい気持ちは山々だが、早々に死んでもらうぞ!」
 突撃の合図を下すべく、マクシスは手を振り上げた。
 絶体絶命の状況ながら、しかしミオの表情の諦めが浮かぶことはない。いまだ足元で亀になっているレノアを一瞥した後、最後の一矢まで報いる覚悟で、ミオは静かに弓を構える。
「やれ!」
 マクシスが手を振り下ろす。
 無数の矢が辺りに降り注ぐ。思わず反射的に身を伏せ、しかしそこでミオは気付いた。
 確か、神官戦士たちは飛び道具を持っていないはずだ。
 マクシスも事態に気付いたらしく、声を裏返して慌てふためいている。
「な、何だ、誰だこんなことをする奴は!」
「あなたが本来戦うことを想定していた相手、といえばわかっていただけるでしょうか?」
 声は、予期しない方角から聞こえた。
「まさか、ヨーデンブルク家の軍隊……だがなぜだ、当主夫妻は旅に出ているはずだし、当主代行であるあの生意気な娘は目の前に……なのに、なぜ軍が動く!」
「もともと私にはそんな権限はないのですがね。緊急事態ということで、無断で軍を動かさせてもらいました」
 その声に反応し、それまでずっと亀になっていたレノアが、ゆっくりと身を起こす。その顔には、まぎれもない驚愕の表情が浮かんでいた。
「まさか……氷室なの? だって、わたくしはあなたを……」
「申し訳ございません。実は遠くからこっそり様子を見ておりました」
 森の中から、一人の黒服の男が、弓を構えた兵士達を連れて姿を現す。この闇夜に黒服といういでたちは見つけにくいことこの上ない。が、まぎれもなくその初老の男は、ついこの間ラータルトと死闘を演じたばかりのレノアの従者・バートン氷室だった。
 そんなやり取りの最中、ラータルトはゆっくりと身を起こす。
「もう動けるのか?」
 ミオの問いに、ラータルトは首を振って返答しようとするが、まだ体が思うように動かない。
「少しずつ、動けるようになってきた。今になってヒリヒリしてきたよ、どうやらあちこち火傷してるらしい」
 なんとか上半身だけ起こし、森の奥から現れた兵士達の姿を確認する。
「形勢逆転……かな?」
「微妙だな。人数ではまだこちらが不利だ」
 そのミオの言葉に呼応するがごとく、ようやくショックから立ち直ったマクシスが、唾を飛ばしながらまくし立てる。
「馬鹿どもめ! 最初は驚いたが、良く見ればたかが百人足らずではないか! そりゃそうだ、昨日の夕方から今までの間に、そんな大軍勢を動員できるはずがないものな!」
「ですが、あなたの部隊も壊滅的な打撃を受けているようですな。これはいい勝負になりそうです。明後日あたり、世間は大騒ぎになるでしょう。貴族の軍と教会の軍が表立ってぶつかり合うという前代未聞のニュースでね」
 淡々とした声で告げられたその言葉に、マクシスの顔が見る見る間に青くなる。
「そ、そんなことになればヨーデンブルク家とてただでは済むまい! カーン様の手にかかれば、一族郎党まとめて破門にすることも――」
「レノア様の命には代えられません。我々には選択権はない。判断するのはあなたですよ、智神官マクシス殿。ヨーデンブルク家もろとも共倒れになるか――それとも、このまま退くか」
 マクシスの顔色が、見る見るどす黒くなっていく。ここでレノアを逃がしてしまえば彼の聖職者生命は終わる。しかし戦ったからといって、それより少しでもましな結末が待っているとは思えなかった。
「レノア様が今回のことを表沙汰にしたとして、あなたに追求の手が伸びるまでは時間があるでしょう。その間にあなたは逃亡するなり、証拠隠滅するなり好きにすればいい。しかし、ここで全面衝突などということになれば、そんな暇は与えられますまい」
 氷室のその言葉がきっかけとなった。
「……わかった、どこへでも好きなところへ行くがいい! お前達、二度とその不快な面を見せるな!」
 それだけ告げるとマクシスは大聖堂の中へと駆け込み、入口の扉を固く閉ざしてしまった。


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